自作モバイルブースター作ったよ

この設計を始めたのが今年の4月ごろ。このときはまだeneloopモバイルブースターの類似製品は少なく、バッテリーの容量もあまり大きな物がなかった。この時発売されている物ではiPadをフル充電できる外付けバッテリーはなかったように記憶している。
そこで、hobbykingで手に入る大容量バッテリーを使ってiPadをフル充電可能なモバイルブースターを作ろうと考えた。
その後、設計中や部品注文後にあんな物こんな物が次々発表されてモチベーションがガクッと落ちたりしたんだけどね
そんな訳で作ったのがこちら

特徴は

  • 大容量のバッテリー
  • バッテリーは交換可能
  • 右下のLEDでバッテリー残量表示
  • 充電回路内蔵 (まだ動かしてない)
  • 3つのUSBポート (まだ1つ実装してない)
  • 最大3Aの出力
  • 3種類の過電流保護

と、こんな感じです。
ソースコード、回路図は公開しますが、まだまだ未完成なのでどんどん変更しています。参考にする場合は自己責任で。
回路も設計ミスがあり現在公開している回路と上の写真の回路は少し違うものになっています。(赤色の配線)
ソフトウェアはChaNさんとmucrobuilderさんのコードをベースにして作成しました。デバッグにはねむいさんのブログ記事やopenocd関連ファイルを使用、参考にさせていただきました。

ソースコード/EAGLE Project file : strobo/u-battery

回路とかハードとか

基盤はFusionPCBに注文。3500円。安い。部品はDigi-Keyでバッテリーはhobbykingから注文しました。

基盤に乗っている主な回路は5V DC-DCコンバータ。バッテリーの監視回路や充電回路、電流計測回路と、あと最後にマイコンです。
バッテリーはの電圧は11.1V容量は5000mAhです。同じ11.1Vのバッテリーなら動作するので、もっとコンパクトにしたいなら1600mAhぐらいの小さなものに交換することも可能なのが便利なところ。
あとリチウムポリマーバッテリーなので取り扱いには十分注意しないとだめです。今は専用の充電器で充電しており、内蔵の充電回路は使っていません。

使っている主なIC

本当ならマイコンはAVRでも性能的には十分ですが、ARMの勉強も兼ねてLPC1114を使いました。

過電流保護は

  1. バッテリー監視IC内 (電流は任意で設定可能)
  2. DC-DCコンバータIC内 (3.5A)
  3. OPアンプとLPC1114を組み合わせた回路

の合計3つですが。2と3はほとんど同じ所を計測しているので3はなかったことになるかもしれない。

気になること

  • DC-DCコンバータ内(BD9876)の過電流保護はデータシートによると、過電流検出電流 min 3.5A typ 6Aとなっているんだけど、「6Aまで流れないと保護回路が動かないこともある」なのか「3.5A - 6Aの範囲なら保護回路が動く」という意味なのかどっちだろう。普通なら後者かな
  • バッテリー監視ICを使ってバッテリーの電圧を計測しているんだけど、データシート11ページの「Calibration of Cell Voltage Monitor Amplifier Gain」ってところの計算がうまくいかない。ちゃんと理解できてないだけかもしれないけど。これができないとバッテリーの正確な電圧が分からないのでバッテリー残量の計算に問題がでるかもしれない。

今は「Cell Voltage」のところの計算式でバッテリーの電圧を計算している、これでもテスターで直接計った値とだいたいあっているので今のところ大丈夫みたい

iOS端末の充電に関してはiPhoneやiPadの充電器の自作について - ELECTLOGICを参照。ただD+/D-に電圧がかかっていると充電してくれない物もあるので1ポートだけ、D+/D-に電圧をかけていない5Vのみのポートにしました。

おまけ

iPhoneのストップウォッチと組み合わせると爆弾のように見えてしまうの図